「〈歴史総合〉時代の高大連携―大学?高校における歴史教育はどう変わっていくのか？」(2023年8月4日)
記録の公開につきまして
欧宝体育平台_欧宝体育在线-app下载海外事情研究所が毎年開催する世界史セミナーでは、2023年に「〈歴史総合〉時代の高大連携―大学?高校における
歴史教育はどう変わっていくのか？」と題して、小川幸司さん著『世界史とは何か―「歴史実践」のために』（岩波新書）と小野寺拓也さん?
田野大輔さん著『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか』（岩波ブックレット）の二冊の本について、それぞれの著者が互いに書評を行い、
議論するセッションを設けました。当日は対面?オンラインで約180名の参加を得て、緊張感に満ちた活発な議論が行われました。事後、
例年の世界史セミナーと同じように、講演（この場合は書評）部分の録画と配布されたレジュメを、参加申込者を対象に一ヶ月程度限定
公開することとし、発表は「研究上のドラフト」であることを理由に引用を控えるよう呼びかけました。しかしその後、SNS上でレジュメが
不特定多数の人たちに公開されていることがわかったため、当研究所では公開を中止いたしました。
今年2月、『歴史学研究』No.1058（2025年2月）の特集「歴史を書くということ 概説書を書くということ」（第5回）に小野寺さん?
田野さんが「一般向けに歴史を書くことの困難」という論考を寄せましたが、この文中で小野寺さんが上記セッションでの小川さんの
発言を引用して批判を展開しています。上記の経緯からすると、本研究所の所員である小野寺さんがセッションでの発言を引用したことは
本研究所として遺憾なことでした。この論考が発表された直後小川さんから欧宝体育平台_欧宝体育在线-app下载に記録の公開依頼がありましたが、それに
対して本研究所はセッション当日の参加者に限定して、一定期間にかぎりこの記録を公開するにとどめました。本来広く論考の読者に
反証可能性を提供するべく記録を再公開しなければならなかったところであり、これは本研究所の対応としてきわめて不十分でありました。
その後、小川さんが『歴史学研究』No.1062（2025年6月）、「批判と反省」に「論破型歴史叙述の問題点を考える」という反論を寄せ、
文中で上記セッションの一般公開を求めました。これに応じて、本研究所は議論を開くために、当日の記録とレジュメを改めて一般公開
することといたします。議論の公開性を保障し、広く読者に議論の適否を判断してもらうためそれぞれの主張に反証可能性を提供する
ことが海外事情研究所として義務と考えるにいたったからです。なお公開する録画は当日の小野寺さん、小川さんによる書評部分と相互の
応答部分にかぎり、それに続くフロアからの質疑応答?総合討論は公開しません。参加者の多くの方々が議論に加わっているため、発言者に
許可を取ることがむずかしいからであり、また上記の二つの論考ではこの部分についての言及がないからです。
SNSの時代、研究会などの記録を一般に公開することには困難が伴うことがあります。公開講演会?研究会などの記録をどのように扱う
べきか、本研究所でも検討を重ねます。記録の公開は、歴史教育について議論を生産的に展開することを目的とするものなので、利用の
際にはそのことにご留意ください。
欧宝体育平台_欧宝体育在线-app下载海外事情研究所として、迅速で適切な対応ができず、即座に一次資料を提供しなかったことを反省し、深くお詫び申し上げます。
公開資料は以下のリンクからご利用ください。
◆2023年度のプログラム
プログラム
◆書評1 小川幸司著『世界史とは何か―「歴史実践」のために』書評（評者：小野寺拓也）
レジュメ
Youtube動画
（※動画の冒頭に開会挨拶（～2:30）とシンポジウム全体の趣旨説明（2:30～9:00）を含みます）
◆書評2 小野寺拓也?田野大輔著『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか』書評（評者：小川幸司）
レジュメ
Youtube動画◆相互リプライ （登壇者：小川幸司?小野寺拓也、司会：篠原琢）
Youtube動画
（※相互リプライ部分のみの公開となります。また、質問者氏名の読み上げなど、動画内の一部音声をカットしております。ご了承ください）
※今回の記録公開は歴史教育に関する議論を展開することを目的としております。レジュメ?動画の取扱いの際にはこの点にご留意くださるようお願いいたします。
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