センター長挨拶

2025年4月4日(金)、23の国と地域からの留学生を迎え、1年コース入学式を挙行しました。晴天に恵まれ、構内の桜にも祝福された一日でした。

欧宝体育平台_欧宝体育在线-app下载留学生日本語教育センター(JLC)は、1970年以来、一貫して国費学部進学留学生に対する予備教育を行い、2500人以上の修了生を、日本全国の国立大学に送り出してきました。修了生のみなさんのその後のご活躍は、いつも、私たちの喜びと励みになっています。

国策としての学部留学生制度は今後も継続しますが、大学の方針により、JLCでの予備教育は2025年度が最終年度となります。

私の着任時の1998年度にはひらがな教室から始める日本語未習者クラスが6クラス、漢字が書ける既習者クラスが1クラスの編成だった1年コースも、2024年度には未習者クラスが1クラス、既習者クラスが5クラスと逆転し、コースカリキュラムは大きく変容しました。また、大学の法人化や組織改編に伴い、教員の働き方も、予備教育専従から学部?大学院?社会貢献も兼務となりました。その中にあっても私自身の軸はこの1年コースにありましたため、JLCの歴史の最終頁を前に、複雑な思いを禁じ得ません。

来し方を振り返ってみますと、JLCでは、1年コースをはじめ、REX事前研修、教員研修生?日本語日本文化研修生?中国赴日本国留学生等を対象とした教育プログラムのほか、教材開発※1、JLCスタンダーズの作成、公開講座、REX20周年記念シンポジウム、国費留学生のキャリア形成シンポジウム、留学生日本語教育センター論集、その他社会貢献事業等、様々な仕事に携わらせていただきました。どれも、JLCのチーム力無しには成し得なかったものだと思います。共に取り組んでくださった皆様、ご助力くださった皆様に、深く感謝申し上げます。

最終年度にあたり、これまで通り1年コース学生に充実した予備教育を提供するかたわら、55周年の節目の行事も企画中です。修了生ネットワークでは、退職された懐かしい先生方をお招きしてのイベントを企画しています。これまでJLCを支えてくださった皆様、JLCを巣立っていった修了生のみなさんと、再会を喜び合いたいと存じます。

1年コースのプログラムが終了しても、これまで培ってきた日本語教育?留学生教育の知見、およびネットワークは、様々な場面で活かしていくことができます。登録日本語教員制度の開始に伴う様々なニーズにも貢献可能であると考えます。今後とも、JLCの教職員一同が、よりよい地球社会の形成に力を尽くしていけますよう、皆様のご支援とご協力をお願い申し上げます。

2025年4月10日

留学生日本語教育センター長
菅長 理恵


※1 教材開発
思い出深いのは、最初にチームに入れていただいた「日本事情テキストバンク」ですが、最も最近の『留学生?大学生のための エピソードとタスクから描く 私のキャリアプラン』(2022凡人社)は、1年コース修了生へのインタビューをもとに開発した教材です。多くの修了生にご協力いただきましたこと、心より御礼申し上げます。

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